北寄港船の入港見逃し、包囲網に穴 北朝鮮、外貨獲得の生命線

北朝鮮に寄港した疑いのある貨物船の入出港を許したことは日本の独自制裁に「抵触」(菅義偉官房長官)しており、違法の見逃しは北朝鮮包囲網のアリの一穴になりかねない。国際社会が北朝鮮籍船にとどまらず、北朝鮮に寄港した船舶にまで入港禁止措置の対象としているのは、北朝鮮の外貨獲得に海運が大きな役割を占めているという現実があるからだ。核、弾道ミサイルの開発原資や、政権維持に統治資金として多額の外貨を必要とする北朝鮮では、兵器や開発資機材の輸入で船舶輸送が生命線を握っている。
2013年7月、ミグ21戦闘機など兵器を運搬していた北朝鮮貨物船をパナマが拿捕(だほ)事件で、船舶の所有者だった「オーシャン・マリタイム・マネジメント(OMM)」(本社・平壌)の事業に密接に関連する香港企業の経営者として男が浮上。
刑罰はおろか旅券没収などのペナルティーも科していない。
これまで、朝鮮総連やその構成員が関与するなどし、化学兵器サリンの生成に使われる化学物質や核・ミサイル開発関連機材、鋼材などが日本から輸出され、日本は(朝鮮総連元活動家)だった。
貨物船側が報告した寄港歴の10港に港は千葉海上保安部は入出港を許可。船員は事情聴取に「1月と2月に1回ずつ、北朝鮮の羅津(ラジン)港に寄り、それぞれ石炭を数万トン積んで中国に運搬した」と話したという。見逃しの一因は、貨物船がバースに入港、海保の範囲外だったこともあるとされる。
大陸間弾道ミサイルの開発が目前とみられる中、北朝鮮をめぐる海運への監視・取り締まりの実効性を高める法律や組織の充実は課題となっている。